率直に言う 関東の鉄道会社は、阪急・JR西の「座り心地」「席の広さ」を見習うべきだ
関東の鉄道は、1列車あたりの収入を増やすために乗客を窮屈にさせている。筆者は最近関西地方を訪れ、そうではないことを思い知らされた。なぜか。
関西の広い座席

関西の鉄道といえば、「転換クロスシート」である。比較的長距離を走る列車で、進行方向に向いて座れるのはとても快適だ。JR西日本の新快速は、転換クロスシート車両の代表例で、3扉車で関西の広い範囲で運転されている。また、新快速の一部列車には有料座席車両もある。一部の私鉄も有料座席車両を導入しており、阪急電鉄も近々導入する予定だ。
この快適さは関東ではなかなか味わえない。しかし、関西に行って、「こんな車両まで快適なのか」と体験して驚いた。たまたま関西を代表する私鉄、阪急電鉄の電車に乗る機会があった。特急列車はロングシートではあるが、座席と座席の間には仕切りがあり、乗客は
「3人+2人+3人」
の状態で座るようになっていた。かといって、関東の鉄道にありがちな「ここに座れ」という雰囲気はない。しかも、ひとりあたりのスペースにゆとりがあった。座ってみると、バネが利いていて座り心地がいい。これは関東の鉄道ではなかなか見られないことだ。内装も木目調で落ち着いた雰囲気だ。この列車は特急列車なので、次の停車駅までの乗車距離が長く、その間は高速で運転されていた。
また、JR西日本の東海道本線では、各駅停車でも快適性が追求されていた。筆者が乗車した321系は普通列車用に開発された車両で、4扉車ながら7人掛けから6人掛けになっていた。個々人が区切られたタイプのシートであっても、関東のそれよりもゆったりしている。ひとりあたりの幅を広げているのだ。