率直に言う 関東の鉄道会社は、阪急・JR西の「座り心地」「席の広さ」を見習うべきだ

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関東の鉄道は、1列車あたりの収入を増やすために乗客を窮屈にさせている。筆者は最近関西地方を訪れ、そうではないことを思い知らされた。なぜか。

通勤電車の混雑原因

中央線(画像:写真AC)
中央線(画像:写真AC)

 もちろん、その原因は都心の電車に乗ればすぐにわかる。ようは

「人が多い」

のだ。乗客は長距離には乗らない。特に山手線ではそうだ。東京圏の通勤電車は、ひとりひとりに提供されるサービスの質を下げない限り、多くの乗客が利用できなくなっている。

 コロナ禍前ほどではないにせよ、東京の鉄道の朝ラッシュ時の混雑は依然として深刻だ。2022年度の統計をまとめた『数字でみる鉄道2023』(運輸総合研究所)を見て、混雑率の高い区間を適当に抜き出してみると、

・中央快速線 中野から新宿まで:139%
・京浜東北線 川口から赤羽まで:142%
・東京メトロ東西線 木場から門前仲町まで:138%

となっている。コロナ禍前では180%以上の数字を記録した路線もある。このような環境だから、東京の鉄道は人でごった返しているに違いない。

 しかし、関西は違う。例えば、

・東海道快速線 茨木から新大阪まで:102%
・大阪環状線 鶴橋から玉造まで:115%
・阪急電鉄神戸本線 神崎川から十三まで:134%

である。さらに関西の場合、ラッシュのピーク時でも100%を超える区間がない路線も多い。

 確かに利用者が少ないことは売り上げに影響するが、比較的少ないからこそ、よりよいサービスを提供できるとも考えられる。

 近年、山手線はすべての時間帯で列車の本数を減らしている。その結果、1列車あたりの乗客数が多くなっている。はっきりいって

「窮屈」

である。1列車あたりの収入を増やすために乗客を窮屈にしているのが関東の鉄道の現状だ。

 先日関西を訪れ、鉄道に乗ったとき、筆者(小林拓矢、フリーライター)は「それではいけない」と思い知らされた。

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