トヨタ「中国資源大手」と協業発表 決断は賢明か愚昧か? 地政学的リスクと経済合理性のバランスを考える

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中国を巡る地政学的リスクへの懸念が高まるなか、トヨタの中国事業強化に懐疑的な見方もあるだろう。しかし、重要なのは経済合理性と地政学的リスクのバランスである。

トヨタが中国ビジネスを強化

2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 米中の間では半導体を巡る覇権競争が激化している。

 バイデン政権は2022年夏、中国が先端半導体を軍事転用する恐れから、同分野での対中輸出規制を強化し、2023年からは先端半導体の製造装置で高い世界シェアを持つ日本とオランダも米国の要請に応じる形で同様の輸出規制を開始した。

 しかし、依然として対中規制が十分に効いていないと不満を強めるバイデン政権は最近、両国に対して

「さらに踏み込んだ規制」

を要請し、同盟国の韓国やドイツにも中国への輸出規制を実施するよう促している。中国に進出する日本の製造業にとって、この問題は大きな懸念事項だ。

 そのようななか、日本の大手自動車メーカーは中国ビジネスを強化している。トヨタ自動車は4月8日、中国国有資源大手の中国五鉱集団と電気自動車(EV)など電動車の使用済みの車載電池の再利用で協業することを発表した。今後、明和産業とも協力し、現地に合弁会社を設立するという。

 また、トヨタ自動車は2023年、中国の自動車メーカー小馬智行(ポニー・エーアイ)と自動運転タクシーを手がける合弁会社を設立すると明らかにし、現地法人のトヨタ中国、広州汽車集団との合弁である広汽トヨタ、小馬智行が日本円で198億円以上を出資し、自動運転車両の導入や運行管理などの事業を2024年以降に開始することを目指すという。

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