EV失速、ハイブリッド絶好調! グローバル投資家の「トヨタ」を見る目が変わった根本理由

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アナリストのなかには、トヨタの勢いある株価上昇に違和感を覚える者もいる。円安の追い風を受け、今期の業績は「やや出来すぎ」と考えられているからだ。

最高益で最高値、トヨタ株上昇

2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
2022年10月31日撮影、東京都内の自動車ショールームに掲げられたトヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 トヨタ株の史上最高値更新が続いている。2月26日には一時3600円台をつけた(トヨタ株はかつて1万円を超えていたが、個人投資家でも買いやすくするために2021年9月に1対5の株式分割を実施。株価はその後も上昇し、分割調整後で史上最高値を更新した)。

 トヨタは2月6日に今期(2024年3月期)の連結純利益の見通しを前期比83%増の4兆5000億円に引き上げた。2022年3月期の最高益(2兆8501億円)を1兆6000億円以上、上回る見通しだ。それを好感して株価は最高値をつけた。

 ただ、勢いよく上がる株価に違和感を覚えるアナリストもいる。というのは、今期のトヨタ業績は、円安の追い風を受けて

「やや出来すぎ」

と思われるからだ。半導体不足が解消して生産が増加、これまで在庫不足で売り逃していた分を取り戻した恩恵もある。

 このまま1ドル150円前後の為替が続くならばよいが、2024年、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに転じると、それをきっかけに円高に転じる懸念もある。また、連結子会社ダイハツによる車両試験不正や、持分法適用会社豊田自動織機によるディーゼルエンジンにおける不正が明らかになるなど、グループの品質管理問題も気になる。

 新たに持ち上がった不安として、米国が2022年6月に施行した「ウイグル製品輸入禁止法」の影響もある。ドイツのフォルクスワーゲンの新車数千台が、中国の新櫃ウイグル地区で作られた部品を使っている可能性があることから、米国の港で押収された。自動車産業のサプライ・チェーンは世界中で複雑に絡まり合っており、フォルクスワーゲンだけでなく、世界の自動車大手すべてが、この問題で影響を受ける可能性がある。

 こうした不安があるなかで、トヨタ株が勢いよく上昇したのはなぜか。買っているのは、主に外国人投資家だ。特に

「米国の機関投資家」

がトヨタを見直している。減益で売られる電気自動車(EV)大手テスラに代わり、ハイブリッド車(HV)好調のトヨタを買い増ししている。EVばかり礼賛してきたグローバル投資家の一部に、HV世界トップ、業績好調のトヨタを見直す動きがある。

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