ロシアの軍事侵攻「対岸の火事」ではない モビリティ業界への打撃、米国中国の動きとは
ロシアがウクライナに対する軍事侵攻に踏み切った。日本経済が受けるであろう打撃と、米国・中国の今後の動きを探る。
日本企業が受ける打撃とは

ロシアは世界でも有数の核大国であり、プーチン大統領は最悪の場合、核兵器使用の可能性もちらつかせている。そして、米国民の間では遠いウクライナへの米軍派遣には反対意見が多く、支持率に苦しむバイデン政権がウクライナ救済のため米軍を現地に派遣する可能性は低い。
仮に、ロシア軍と衝突することになれば米国が受ける被害は計り知れず、今後のロシアの軍事行動がエスカレートしたとしても、米国など欧米諸国や日本ができることは経済制裁の範囲を拡大させることしかないだろう。
よってウクライナ情勢から生じるリスクは、主に経済貿易の領域で展開されることになる。
現在のところ、欧米諸国も日本もロシアへの経済制裁を発表しているが、その範囲は国内や世界経済の大きな影響が及ばない範囲であり、極めて限定的な制裁となっている。
しかし、ロシアによる行動がエスカレート、長期化するにつれ、欧米諸国などが発動する経済制裁の対象範囲が徐々に拡大されれば、それだけ影響を受ける日本企業の数が多くなることが懸念される。
また、岸田政権は欧米諸国と足並みをそろえる形でロシアに対して経済制裁を課すことを決定したが、今後は日本・ロシアという2国間内での経済関係に大きなヒビが生じてくる可能性が高い。
案の定、ロシアのガルージン駐日大使は2月25日(金)、日本政府に重大な対抗措置を取ると警告した。対抗措置の個別具体的な中身は明らかになっていないが、日ロ経済に深く依存する日本企業はより大きな影響を受ける恐れがある。