理想ばかり語るな! 路線バス維持のために「ドライバーの給料を上げろ」は“机上の空論”である【連載】ホンネだらけの公共交通論(4)

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路線バスの「2024年問題」が顕在化するにつれ、バスドライバーの給料を上げるべきだとよくいわれる。しかし、少なくとも現時点では、これは「机上の空論」にすぎない。いったいなぜか。

求められる新たな“知恵”

路線バス(画像:写真AC)
路線バス(画像:写真AC)

 バス事業そのものの制約を知り、考えれば、「何とかしてバスドライバーの給料を上げるべきだ」とは簡単にはいえないはずだ。

 今考えるべきは、バスドライバーの給料を上げるための

「知恵」

である。そのために期待するのは、バリアフリー運賃の拡大でもある交通税の上乗せ負担と、バス会社の柔軟な新規事業展開である。

 千葉県市原市のように、税金を使ってバスドライバーの定着を促す自治体も出てきている。経営について知れば知るほど、

「ない袖は振れない」

という言葉が身にしみる。現実的な制約条件を知った上で、バス事業の将来を考えたいものである。

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