EVの逆襲? 材料価格急落で「BEV=高い」のイメージは過去のものに? 中国の低コスト戦略に要注意だ【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(15)

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リチウムイオン電池の材料である炭酸リチウムや、三元正極の材料であるコバルト、ニッケル、マンガンの価格が2022年までほぼ下がり続けている。「EV = 踊り場」の世論をはね返せるか。

価格競争の新たな局面

BYDのウェブサイト(画像:BYD)
BYDのウェブサイト(画像:BYD)

 現在は電池素材の置換によって、BEVの価格を引き下げ、市場の要求に対応しようとしている。特にBYDでは、

「ガソリン車よりも安い電気自動車」

をキャッチフレーズに低価格戦略を打ち出した。中国では、BYD 2024年モデルにて「秦PLUS EV」が10万9800元(約225万円)から、PHEV「秦PLUS DM-i」は7万9800元(約165万円)からである。

 ということは、BEV黎明期に比べると

「EV素材のステージが変わったのではないか」

と思える。日本ではBEVはまだ販売台数が少なく、価格が高いというイメージがあるが、中国メーカーを中心に一気に低価格戦略が始まった。このような流れについていけないと、EVシフト競争でも取り残されてしまうように思えてならない。

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