全固体電池で挑む日本の逆襲――なぜリチウムイオン電池大国・日本は「中国依存8割」の現実に陥ったのか?
中国が8割のシェアを握る車載電池市場で、日本勢が巻き返しを狙う。全固体電池の特許出願で世界をリードするトヨタと出光は、2027年の実用化を見据え量産体制を本格化。パナソニックも米IRA追い風に6000億円を投資。巨大市場の覇権争いが新たな局面を迎えている。
世界シェア37.5%の圧倒的CATL台頭

世界の車載電池市場で、中国勢の独走が続いている。2024年1~5月の世界シェアでは、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)が37.5%で首位、比亜迪(BYD)が15.7%で2位につけた。上位10社のうち、中国企業が6社を占めている。
一方、日本勢は苦戦している。パナソニックは7位以下にとどまり、韓国のLGエナジーソリューション、SKオン、サムスンSDIの後塵を拝している状況だ。リチウムイオン電池を発明した技術大国・日本が、なぜここまで後れを取ったのか。その背景には、部材から製品までを中国に依存する産業構造がある。
とはいえ、日本にも巻き返しの芽はある。再編や技術革新によって、反攻の準備は着実に進みつつある。