群馬「上信電鉄」がどう見ても「世界遺産」化にふさわしい理由
上信電鉄は、1895年12月27日、県南西部の下仁田地域で当時出荷量が増加していた生糸の輸送路近代化の要請を受け、上野鉄道として設立された。1897年9月25日、南蛇井~下仁田間が開業し、全線開業した。
鉄道観光の未来

ただ、世界遺産登録が実現しても観光客が確実に増える保証はない。
先に示した試算もあくまで推定である。人類共通の宝物である文化遺産(当然、自然遺産も)を次世代へ引き継ぐための保護は、最優先事項である。それでも、世界遺産登録に向けた取り組みは有益である。金額では表せない価値があると考えられる、鉄道と地域の協働や関係の深度化につながるからだ。前述した「コロムビア」のような、名店とのコラボも進めたい。
なお、鬼ヶ沢橋梁周辺は危険なため、近づいて見学できない。同橋梁を見学できる手段は上信線の車窓からのみである。今後世界遺産登録に向けてアピールし、上信線の車内から見学できるよう同橋梁付近で速度を落として運行するとともに、車内で案内放送を流すなど、観光誘客につなげたい。
また、群馬県内には、登録有形文化財の指定を受けた駅舎などを所有する上毛電気鉄道と、2008(平成20)年9月26日開催の第85回文化審議会文化財分科会で「世界遺産暫定一覧表候補」(暫定リスト候補)に追加された「足尾銅山-日本の近代化・産業化と公害対策の起点-」の構成資産である足尾鉄道、すなわち、わたらせ渓谷鐵道もある。
群馬県内に路線を有するJR東日本と東武鉄道を含む普通鉄道・新幹線鉄道5社、他の交通事業者、関係自治体などとの間で戦略的提携を結ぶことで回遊性を高め、鉄道と沿線を一体的な「レールパーク」と位置づけて取り組む総合的な観光まちづくりが望まれる。