群馬「上信電鉄」がどう見ても「世界遺産」化にふさわしい理由
上信電鉄は、1895年12月27日、県南西部の下仁田地域で当時出荷量が増加していた生糸の輸送路近代化の要請を受け、上野鉄道として設立された。1897年9月25日、南蛇井~下仁田間が開業し、全線開業した。
上信線の風景

現状を確認するため、2月の平日の午前、高崎から上信線の下仁田行きに乗った。十数人いた高崎からの乗客のほとんどは南蛇井で降り、車内には数人しかいなかった。宮川氏によると、
「南蛇井~下仁田間の利用者は他の区間に比して大幅に少ない。また山間部区間も多く、がけ崩れや倒木も度々発生し、運休列車の発生や高額な復旧費用が生じることも多い」
という。
千平を出て下仁田に向かう途中で、車窓右手に鬼ヶ沢橋梁が見える。上野鉄道は軽便鉄道として開業し、1924(大正13)年12月15日に全線の1067mmへの改軌と電化を完了した際、鬼ヶ沢橋梁付近は地形が険しいことから線路が付け替えられたが、同橋梁は取り壊されずに残された(『群馬県資料 旧上野鉄道関連施設』)。
同橋梁は「ぐんま絹遺産」および「土木学会選奨土木遺産」などに指定されている。土木学会のウェブサイトは
「富岡製糸場等と縁のある鉄道施設で、軽便鉄道規格で明治30年当時の橋梁の現存例として希少な土木遺産」
である旨を記す。
鬼ヶ沢橋梁と下仁田の間には旧線の跡が残り、一部は車窓から見ることができる。下仁田到着直前、車内から下仁田倉庫も見える。同倉庫にはかつて上野鉄道の引き込み線が設けられるなど、同鉄道と関係が深かったという(群馬県前掲資料)。ぐんま絹遺産の指定を受けている。
下仁田駅を出て、駅周辺で昼食をとることにした。駅から徒歩5分の「コロムビア」では、地元産食材などを使ったすき焼きを提供している。元は喫茶店だったが、後にすき焼き店に転換したという。テレビドラマ『孤独のグルメ』で紹介されるなど、地元の名店である。ドラマでは同駅も登場する。