イスラエル抗議デモで一躍有名に? 伊藤忠商事の子会社「伊藤忠アビエーション」とはどのような会社なのか

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伊藤忠商事は、子会社の伊藤忠アビエーションを通じて、エルビット・システムズとの協力覚書を2月中をめどに解消すると発表した。伊藤忠アビエーションはどんな会社なのか。

超人気企業の子会社

伊藤忠アビエーションは、F-15J/DJ戦闘機をはじめ、防衛省が運用する多くの航空機の装備品を輸入販売している(画像:航空自衛隊)
伊藤忠アビエーションは、F-15J/DJ戦闘機をはじめ、防衛省が運用する多くの航空機の装備品を輸入販売している(画像:航空自衛隊)

 就職情報会社「学情」が毎年行っている「就職人気企業ランキング」。大学生が就職した企業を示すこの調査で、2024年は伊藤忠商事が6年連続で首位を獲得した。円安や資源価格の上昇で大手総合商社の業績が急伸。その結果、伊藤忠商事は2022年3月期に過去最高益を更新する勢いだ。

 同社が注目される理由は、その業績だけでなく、取り扱う商品・サービスの幅広さにもある。国内に145社、海外に211社の子会社・関連会社を持つ。コンビニエンスストアのファミリーマートや、国内最大手の輸入車ディーラーのヤナセも同社の子会社である。そのため、さまざまなビジネスにチャレンジできる会社として、大学生に人気がある。そんななか、最近注目を集めたのが伊藤忠アビエーション(東京都港区)だ。

 注目されるきっかけとなったのは、伊藤忠商事が2月5日、子会社・伊藤忠アビエーションを通じてイスラエルの軍需産業大手エルビット・システムズとの協力関係の覚書(2023年3月)を2月中をめどに解消すると発表したことだ。

 伊藤忠アビエーションは2023年3月、防衛省からの要請を受け、日本の安全保障に必要な自衛隊の装備品を輸入する目的で提携を決めていた。エルビット・システムズは、イスラエル軍が使用するドローンや地上装備品の大手メーカーである。

 一部報道によれば、同社は「実戦で証明済み」として販路を拡大してきたとされる。こうした企業との提携は、以前から批判の対象となってきた。市民によるデモも行われた。
 国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルに対し、ジェノサイド(集団殺害)を防止するための「全ての手段」をとるよう命じたこと、上川陽子外相が「(暫定措置命令は)当事国を法的に拘束するものであり、誠実に履行されるべきものだ」とコメントしたことを受け、伊藤忠商事はイスラエルとの提携解消を決めた。

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