イスラエル抗議デモで一躍有名に? 伊藤忠商事の子会社「伊藤忠アビエーション」とはどのような会社なのか
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装備品輸出と国内開発

こうした実績を背景に、同社の事業も新たな展開を見せている。防衛省が検討している「防衛装備品の海外移転」、つまり日本で開発された兵器を海外に輸出する事業に専門商社が関わっているのだ。
防衛装備品の海外移転は、日本政府の『中期防衛力整備計画(平成31年度~平成35年度)』に基づいて実施が検討されている。同計画では、「産業基盤の強靱化」の一環として、次のように掲げられている。
「我が国の安全保障に資する場合等に装備移転を認め得るとする防衛装備移転三原則の下、装備品の適切な海外移転を政府一体となって推進するため、諸外国との安全保障・防衛分野の協力の進展等を踏まえ、必要な運用改善に努めるとともに、情報収集・発信等のための官民連携の推進や、海外移転に際して装備品に係る重要技術の流出を防ぐための技術管理及び知的財産管理の強化、海外移転を念頭に置いた装備品の開発を進める」
防衛装備品の輸出は、ビジネスとして収益を上げることだけが目的ではない。生産数が増えれば、国内専用に比べてコストを削減できるのだ。
そのため、防衛装備庁は海外の見本市でのPRや、関連企業を通じた市場開拓のための調査を積極的に行っている。例えば2020年度は、丸紅エアロスペースがインド、伊藤忠アビエーションがインドネシア、マレーシア、ベトナムの調査を受託している。
まだ成功とはいえないが、実績のある同社の参画は確かな手応えを感じているようだ。2021年にはインドネシアから護衛艦を受注する動きがあると報じられている。防衛産業は、同社のような販売・購買を担当する専門商社の関与なしには成り立たないといえる。
エルビット・システムズとの覚書の破棄は、伊藤忠商事が一般的な軍需産業とは一線を画す「防衛産業」を扱う企業であったことを示している。つまり、ビジネス上の利益よりも、同グループが掲げる「人権方針」の
「救済・是正 伊藤忠グループの事業活動が、人権に対する負の影響を引き起こした、或いは関与が明らかになった場合、適切な手続き・対話を通じてその是正に取組みます」
を真摯(しんし)に履行したのだ。この行動は、企業倫理と社会的責任の模範を示す重要な一歩として評価されるだろう。