中国人観光客が「青森市に殺到」報道は本当か? 県が意外な実態を説明、新たに浮上したインバウンド課題とは
フジテレビのニュース番組が先日、青森市の観光地で中国人観光客が増えていると報じた。しかし、実際に青森県へ電話してみたところ……
ウェイボーと風評払拭
春節(旧正月)による観光シーズンを前に、2月6日、フジテレビのニュース番組『Live News イット!』は、中国版SNS「ウェイボー」の青森県観光局のアカウントのフォロワー数が130万8000人に達しているとして、
「青森県の人口118万人を大幅に超える数字です。大阪の14万7000人、神奈川の9万4000人と比べても1桁、2桁違いの人気ぶり」
と報じた。続いてニュースでは、青森市の観光地で中国人観光客が増加しており、中国語の看板を用意するなど、受け入れ体制の整備が求められているとした。
青森県がウェイボーの運用を開始したのは2011(平成23)年12月のことだ。きっかけは東日本大震災だった。震災後、東北地方への観光客誘致によって風評被害を払拭(ふっしょく)しようという動きが広まった。
2012年7月、政府は「数次査証(ビザ)」の発給を開始し、岩手、宮城、福島の3県に1泊以上すれば、中国人観光客は3年間自由に日本を訪れることができるようになった。これを受けて、他県からも観光客を呼び込もうと、ウェイボーのアカウントが多数開設された。