中国人観光客が「青森市に殺到」報道は本当か? 県が意外な実態を説明、新たに浮上したインバウンド課題とは
フジテレビのニュース番組が先日、青森市の観光地で中国人観光客が増えていると報じた。しかし、実際に青森県へ電話してみたところ……
報道と異なる実情

しかし、青森県は中国人観光客に大人気という一連の報道は、いささか不明瞭である。
・青森県のどの地域が、どのような形で人気を集めているのか
・青森空港に中国便は就航していないが、どのような方法で来日しているのか
そこで、筆者(昼間たかし、ルポライター)は青森県の誘客交流課に実情を尋ねてみた。取材に応じてくれた担当者の第一声は、想定外のものだった。
「メディアの報道などは、青森県に中国人観光客が殺到しているように報じていますが、決してそういうわけではありません」
多くの自治体が外国人観光客に対してポジティブな言葉を並べる傾向にあるなか、担当者は冷静に説明してくれた。いわく、2023年の中国人観光客数(集計中)は、回復傾向にあるとはいえ、決して明るい数字ではないという。
「外国人観光客は8月頃まで回復せず、2019年比で約7割しかない厳しい状況でした。(数字は)戻りつつありますが、まだ半ばです」
さらに、県内で人気を集めている観光地を尋ねると、担当者は言葉を濁した。
「定点観測をしていないため、十分なデータがありません。あくまで体感ですが、弘前城、十和田湖、奥入瀬渓流が人気という印象です」
また、青森県を訪れる中国人観光客のルートについて尋ねると、羽田・成田空港や仙台空港から青森県に入り、全国を周遊する層が多く、「青森県だけ」が人気ではないという。
「現在、青森県はスキーやゴルフなどのアクティビティを目的とした観光客を除き、東北や北海道を周遊する旅行の一部となっています。滞在期間も決して長くありません。観光客を増やし、青森を滞在型旅行の目的地にするためには、もっとPRする必要があると考えています」