日本、中国人向けビザ免除「真剣に検討」すべき理由

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新型コロナウイルスがまん延する以前は、中国を訪れる日本人は15日以内の滞在であればビザなしで入国できた。これは、日本が中国の要求する相互主義に応じようとしないため、再開されていない。

要求される相互主義の背景

かつて見られた中国人旅客のイメージ(画像:写真AC)
かつて見られた中国人旅客のイメージ(画像:写真AC)

 2024年1月29日、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は定例記者会見で、同省が日本人旅客に対するビザ免除の再開を「真剣に検討」し始めたと発表した。

 そのうえで、汪報道官は

「日本が中国と向き合って歩み寄り、双方の人的往来がより円滑になることを期待する」

と、日中両国にビザ免除の実施における「相互主義」の検討を求めた。今回は、両国の経済に影響を与えるビザ免除の動向について論じる。

 新型コロナウイルスがまん延する以前は、中国を訪れる日本人は15日以内の滞在であればビザ免除で入国できた。これが再開されないのは、中国が要求する相互主義に日本が消極的だからである。

 コロナ禍以前に日本人が中国に入国する際のビザ免除は、2003年に中国政府によって決定された。当時、新型肺炎「SARS」による日中間のビジネス停滞を懸念した中国政府は、観光・商用を問わず、15日以内の滞在であれば日本人のビザを免除することを決定した。

 このとき、交流活性化のために日中両国が相互にビザを免除すべきだという意見が出た。しかし日本側は、14億人の人口を抱える中国にとって一律のビザ免除は現実的ではないと主張し、この措置は実施されなかった。

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