元海上自衛官が解説! 「無人軍艦」が全く実用化されない理由 技術的問題ないのになぜか
無人軍艦は全く実用化されていないし、普及していない。技術的な困難はないにもかかわらず、なぜなのだろうか。
遅れている三つの理由

無人航空機の利用が進んでいる。以前、無人機は「RPV」と呼ばれるラジコン飛行機だった。これが自律性を持ったUAVとなり、戦争や紛争で使われるようになった。
対して、無人軍艦は実用化も普及も全く進んでいない。無人化には技術的な困難はない。戦闘の自動化も40年前のイージスシステムで実現している。それにもかかわらず、無人軍艦の登場は遅れている。
なぜ無人軍艦は無人航空機より遅れているのか。それは、社会制度の壁を乗り越えられないからだ。具体的には、
・法律
・保安
・海上交通
に関するさまざまな制約を乗り越えることができないのだ。元3等海佐(中級幹部)で、軍事ライターの筆者(文谷数重)が、ひとつずつ説明していこう。