スマートシティは本当に成功するか? 新橋駅「幻のホーム」問題などから考える

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スマートシティ実現に向けて全国各地が盛り上がる一方で、物理的・精神的障壁もまだまだ多い。ということで今回は、東京の地下鉄に眠る「幻の駅」「幻のホーム」の存在から都市計画の困難性を論ずる。

「幻の駅」「幻のホーム」という存在

スマートシティのイメージ(画像:写真AC)。
スマートシティのイメージ(画像:写真AC)。

 全国各地で、今も新たな都市計画が進められている。とりわけ、これから先の人口減少をにらんだスマートシティの議論は盛んだ。

 スマートシティとは「ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)などの先端技術や、人の流れや消費動向、土地や施設の利用状況といったビッグデータを活用し、エネルギーや交通、行政サービスなどのインフラ(社会基盤)を効率的に管理・運用する都市」(朝日新聞出版発行「知恵蔵」)を指す。

 5Gと先端技術を駆使して建設される都市は、確かに住みやすい「理想の街」となり、住人はさまざまなストレスから解放されるに違いない。特にモビリティは、これらの都市を実現させるカギとなる。

 しかし、たいていの都市計画は予定通りに進まない。人口の少ない地域で新たな開発を行うにしても、既に人口の集中している都市を再開発するにしても、これは変わらない。結果として都市のあちこちに「建設されたものの放置されているもの」が現れ、「幻の○○」としてある種、名物化する。現在、とりわけそうした事例が多いのが東京の地下鉄だ。

 東京の地下鉄には、

・幻の駅
・幻のホーム

と呼ばれる、現在は使われていない構造物が多い。これらはもともとの知名度も高い上に、イベントでも公開されるため、そのたびにテレビ、インターネット問わず、話題に上る。「幻」というものの、その実態は「見学する機会が制限されている観光地」に過ぎない。中でも、もっとも有名な「幻」は旧新橋駅ホームである。

 このホームができたのは、東京の地下鉄建設に関係している。昭和初期に東京で地下鉄の建設が始まると、早川徳次率いる東京地下鉄道(現・東京メトロ)が浅草から、東急の創業者・五島慶太の東京高速鉄道が渋谷から、それぞれ新橋を目指した。

 東京高速鉄道はこのとき、新橋から新宿方面への免許も取得していた。そのため、渋谷から来た列車は新橋駅で折り返して新宿に向かう計画だった。ちなみに、この乗り換えの利便性向上のためにできたのが、現在の赤坂見附駅の丸ノ内線と銀座線のホームだ。