スマートシティは本当に成功するか? 新橋駅「幻のホーム」問題などから考える

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スマートシティ実現に向けて全国各地が盛り上がる一方で、物理的・精神的障壁もまだまだ多い。ということで今回は、東京の地下鉄に眠る「幻の駅」「幻のホーム」の存在から都市計画の困難性を論ずる。

「幻」のホームが生まれた経緯

新橋駅(画像:写真AC)。
新橋駅(画像:写真AC)。

 そして東京地下鉄道は1934(昭和9)年に新橋駅まで延伸、東京高速鉄道は1939年に同じく延伸した。

 当初、両社の路線が同じホームで乗り入れする計画があったが、東京地下鉄道では品川方面への延伸を計画していたため、これを拒否。そこで東京高速鉄道では、折り返し用に建設していたホームを利用することになった。

 結果、乗り換えのために乗客は改札をいったん出なければならない羽目に。そこで内務省が調停を行い、両線は1939年9月から東京地下鉄道側のホームを利用することになった。「幻」のホームはこうして生まれたのである。

 このほかにも銀座線神田~末広町駅間に、東京地下鉄道が仮駅として開業した万世橋駅跡(神田駅の開業とともに廃止)や、半蔵門線開通時のホーム新設によって廃止された旧神宮前駅などがある。なおこれらは、計画進行の結果としての「幻」事例である。

 一方、失敗事例もある。それは、銀座線銀座駅の脇を通って東銀座駅方面へ向かう地下歩道にある使われていないフロアだ。銀座四丁目から歌舞伎座方面へ続く地下道といえばわかりやすいだろう。地下道の下に日比谷線が走っていることは有名だが、その間には同じく使われていない地下街がある。

 これは、東銀座駅と銀座駅の間に2014年まであった三原橋地下街の移転先として建設されたものだ。三原橋地下街は昭和な風情が残る地下商店街で、ゆえに保存を求める声も少なくなかった。

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