川崎重工がニューヨーク市地下鉄向け「R211」電車を初納入 最大1600両のうちの第1編成

キーワード :
, ,
川崎重工業が、米国現地法人を通じてニューヨーク市交通局向けの地下鉄車両「R211」を初納入した。今後ベース契約がすべて行使された際は、両数が同社の過去最大規模になるという。

既存車両のR46を置き換え

ニューヨーク市交通局の地下鉄向け電車「R211」(画像:川崎重工業)。
ニューヨーク市交通局の地下鉄向け電車「R211」(画像:川崎重工業)。

 川崎重工業は2021年7月26日(月)、米国現地法人Kawasaki Rail Car, Inc.(KRC)を通じ、ニューヨーク市交通局(NYCT)向け新型地下鉄電車「R211」の初編成を納入したと発表した。

 今回納入した車両は、2018年2月に受注したベース契約535両の第1編成(5両)だ。米国現地法人Kawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.Aのリンカーン工場で製造された。約1年にわたる各種検証試験の後、営業運転を開始する予定だ。

 R211は、ニューヨーク地下鉄の近代化や継続的な利用者の増加、旅客サービス向上といった計画に伴い、既存車両であるR46の置き換えとして導入される。車体はステンレス製で、寸法は長さ18.44m×幅3.00m×高さ3.665m。LED照明やデジタル表示器、混雑時のスムーズな乗り降りを想定した従来よりも広いドアなどを採用している。

 ベース契約には、車両貫通路を有する10両編成の試験車両が2編成含まれており、乗客の流動性改善効果の試験評価に使われる。また、この契約はベース契約に最大1077両のオプションが付随しており、全て行使された場合は生産総数1612両に達する。これは川崎重工業にとって過去最大規模という。

 同社は1982(昭和57)年に地下鉄電車(R62)を受注して以来、NYCT向け車両を継続的に製造しており、その数は2200両を超えている。

全てのコメントを見る