「なにわ筋線」工事着々も、大阪一極集中という強烈な副作用 周辺自治体は「若者の転出多い」と悲痛な声
大阪市を南北に貫く大動脈、なにわ筋線の工事が着々と進んでいる。完成を見越して沿線では再開発事業が相次いで計画されており、大阪一極集中が関西に加速する可能性も出てきた。
神戸市や京都市は地道な対策で対抗

関西の政令市の人口は2023年12月で
・大阪市:約277万人
・神戸市:約150万人
・京都市:約144万人
・堺市:約81万人
堺市は大阪市のベッドタウンとなって夜間人口が昼間人口より多いが、神戸、京都の両市は昼間人口が夜間人口を上回っている。
大阪、神戸、京都の3市が近隣から働く人を集め、三つの核が並立して関西をけん引してきたわけだが、神戸、京都両市の人口はこのところ、減少傾向が続く。このため、両市とも大阪一極集中への警戒感を隠さない。
神戸市は三宮地区へのタワーマンション建設を規制していることが人口減少の一因と指摘されている。しかし、この方針は曲げず、駅前などをリニューアルするリノベーション神戸や若者が好むIT企業の誘致、子育て支援策の拡充などで対応する方針。神戸市政策課は
「転出が多いのは若い世代。若者が定着できる街に変えたい」
と狙いを語る。京都市はもともと中心部が満杯状態のうえ、景観保護の高さ制限でタワーマンションを建設できず、マンション価格が高騰している。京都市総合政策室は
「景観に影響がない地域での高さ制限緩和や大学生の就職支援、子育て環境の整備などで対応したい」
と説明した。
両市の担当者から“短期間で効果を見込める方策”は出てこなかった。地道な対策が効果を上げるまでの間、大阪一極集中の流れが続くと見られ、なにわ筋線沿線の再開発に弾みがつきそうだ。