F1業界は閉鎖的な「ムラ社会」 近年は売り上げ至上主義が支配、今後大丈夫なのか

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F1の今後を占う大きなトピックのひとつが、アンドレッティ・フォーミュラ・レーシングが11番目のチームとして参戦できるかどうかだ。

アラブ諸国がF1に注力するワケ

ホンダのPUを積むレッドブル(画像:武田信晃)
ホンダのPUを積むレッドブル(画像:武田信晃)

 いまやF1を開催したい国も、参戦したいチームもたくさんあり、「供給>重要」という状況になっている。レースでいえば、一昔前はアジア諸国が開催を希望することが多かったが、2000年代に入るとアラブ諸国が開催するようになった。

 石油資源がいずれ枯渇することや、地球温暖化によるSDGs(持続可能な開発目標)の推進は、中東諸国の収益にとって完全にマイナス要因である。スポーツビジネスへの投資は、石油への依存度を下げる試みでもある。

 サウジアラビアはF1のほか、ゴルフ、サッカー、ボクシングなどに力を入れている(スポーツウォッシングという政治的側面もあるが、ここでは触れない)。F1側のメリットも大きい。オイルマネーの財力はまだまだ強く、FOGが売り上げを伸ばそうと思えば中東でレースを開催するのは目に見えている。

 参加希望チームが増えたのは、F1の価値が高まったからだ。それは、米国のリバティメディアがFOGを通じて運営を始めてから顕著になっている。リバティは“資本主義の権化”ともいえる米国企業で、F1の価値を高める方法を熟知している。

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