日帰り客を「宿泊客」に 観光地での滞在を延ばす実験、湯河原町で実施中

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温泉地への観光客流入を増やし、滞在時間を長くするための実証実験が、神奈川県湯河原で行われている。周遊バスやタクシー配車サービスを運行して町内の移動をスムーズにし、「日帰りでは楽しみ切れない街」への昇華を試みる。

移動手段を増やすバス・タクシーの実証実験

神奈川県湯河原町(画像:写真AC)。
神奈川県湯河原町(画像:写真AC)。

 ウメの花が見ごろを迎え、催事「梅の宴」が開かれている神奈川県湯河原町で、観光エリアの周遊バスなどを運行する観光型MaaSの実証実験が行われている。JTBによるもので、町内の回遊性向上や隣接する箱根エリアからの観光客流入を促す狙いがある。

 運行しているのは、「梅の宴」会場の幕山公園や商業施設、温泉などをつなぐバスと、湯河原エリアと箱根エリアを結ぶバス、それからAIを活用したタクシー配車サービス(AIオンデマンドタクシー)の3種類。

 温泉地での過ごし方や選択肢を増やし、町全体での需要を喚起する狙いがある。「日帰りでは楽しみ切れない街へと昇華」をコンセプトに、「域内周遊促進の向上」や「日帰り観光客の宿泊化」を目指している。

 期間は2022年2月5日(土)~同20日(日)。バスは実証実験のためいずれも無料で、タクシーは大人500円、子ども無料。

 AIオンデマンドタクシーとは、時間・ルートを固定せず乗合い車両の配車決定を行うサービス。交通課題の解決などに取り組む未来シェア(北海道函館市)のオンデマンド・リアルタイム配車サービスSAVS(Smart Access Vehicle Service)を利用する。

 スマートデバイス(IoT)とクラウドプラットフォームをベースとしたアプリケーションが通信し、AIがリアルタイムに全車両の走行ルートを決定。需要に即した乗合い車両の最適な配車決定を完全自動(無人)で行えるという。

 今回は、湯河原エリアに設定された13か所の乗降ポイント間の移動を自由に予約できる。新型コロナウイルス感染拡大予防のため、乗り合いではなく貸し切りにて運行する。

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