サイバー攻撃対策へ EVにいま迫る新たな“発熱問題”とは何か?【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(7)

キーワード :
, , ,
国際連合欧州経済委員会は2020年、自動車へのサイバー攻撃対策を義務付ける国際基準(UN規則)を採択。これに伴い各自動車メーカーは今、数十個超のエレクトロニックコントロールユニット(ECU)の集約とそれに伴うECUの“発熱問題”に直面している。

EVの“頭脳”ECU統合の課題とは

 サイバーセキュリティおよびソフトウェアアップデートへの攻撃対策を、今後、効率良く開発していこうとすると、従来60~80個、多い車両では100個を超えるECUが各部に機能部品とともに分散していたものを、できる限り統合する必要がでてくる。点在していたECUをどのようにして統廃合していくのか、開発者は知恵の見せどころであろう。

 しかし、ここで困ったことが起こる。ソフトウェア統廃合の問題とは別に、統合されたECUの発熱問題である。これまで各部に分散されていたため、発熱場所もバラバラであり、発熱に関しては問題なかったかもしれないが、統合されると一つのECUに電子デバイスが集中する。

 一般にECUは筐体(きょうたい)と呼ばれるケースに収納されている。部品のサイズが大きくてゆったりとしたレイアウトであれば良いが、通常、車体にそんなスペースはなく、可能な限り小型化、軽量化が要求される。試作段階では機能確認重視だったものが、量産仕様に納めようとすると熱的に問題が起こることがある。つまり、筐体の中は、電子デバイスなど隙間なくぎっしり詰まった状態が普通である。

 一般にECUの中に内蔵されるチップなどの電子デバイスは、熱に弱く、使用最高温度を超えると熱暴走を起こしたり、劣化したりして破壊に至るなど、深刻な事態をもたらす。頭脳というべきECUに問題が発生すると、他基幹部品に問題がなくても、たちまちEVとして使用できなくなってしまう。

全てのコメントを見る