サイバー攻撃対策へ EVにいま迫る新たな“発熱問題”とは何か?【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(7)
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国際連合欧州経済委員会は2020年、自動車へのサイバー攻撃対策を義務付ける国際基準(UN規則)を採択。これに伴い各自動車メーカーは今、数十個超のエレクトロニックコントロールユニット(ECU)の集約とそれに伴うECUの“発熱問題”に直面している。
EV開発で「最も重要かつ困難」なこと
筆者の個人的な考えとして、「EV開発は熱対策との闘い」であると思っている。2021年10月8日配信の記事(「モビリティ千思万考3」)では、EVはバッテリーしかエネルギー源がなく、暖房に多くを使うことで走行距離が短くなってしまうため、新しい暖房方法の開発などいかに効率よく熱エネルギー管理を行っているかについて紹介した。今回は頭脳と呼ばれるエレクトロニックコントロールユニット(ECU)への熱対策について述べてみたい。
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国際連合欧州経済委員会の下部組織「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」は、2020年6月に自動車へのサイバー攻撃対策を義務付ける国際基準(UN規則)を採択した。これが発端となり、国土交通省は道路運送車両法を改正。各自動車メーカーは法案改正に基づき、最も早い仕様(無線によるソフトウェアアップデートに対応している新型車両)では、2022年7月よりサイバーセキュリティおよびソフトウェアアップデートの車両法規を順守しなければならない。
おそらく、初めてということもあり、かつ時間もあまりないことから、関係者は当該法規に対してどのように進めて良いのか頭を悩ませているのではないだろうか。この法規の難しいところは、CSMS (Cyber Security Management System)と呼ばれる適合証明書の取得や、車両ごとに適合していることの審査を受けて認可取得が必要なことにある。