旅行をするならやっぱり代理店経由? 「アゴダ」提訴に見る外資予約サイトの危険性、安心利用か自己責任か 業界の今後を考える
近年、旅行代理店を通さず、海外のオンライン旅行予約サイトを利用するのが一般的になってきた。それにともない、トラブルも相次いでいる。本稿ではその背景について考察する。
消費者団体が提訴
インターネットだけで取引を行うオンライン旅行会社(OTA)を巡る一連の問題が注目を集めている。12月6日、さいたま市のNPO法人「埼玉消費者被害をなくす会」は、大手旅行予約サイトの運営会社アゴダの利用規約が消費者契約法違反だとして、該当条項の使用差し止めを求める訴訟を起こした。
シンガポールに本社を置くアゴダは、利用規約で
「いかなる場合でも損害賠償責任を負わない」
としている。
同会では、2022年に利用者から寄せられた相談を機に、全国の消費生活センターに聞き取り調査を実施、その結果、アゴダでは予約が成立したものの部屋が確保できていなかったトラブルが相次いでいることが判明。消費者に不利な契約を是正することを求めて、訴訟に至った。
近年、OTAの利用者は急増し、旅行代理店などを通さずアゴダやブッキングドットコム(オランダ)を利用することが一般的になった。それとともに、特に海外OTAではトラブルの発生も相次いでいる。その背景に迫る。