旅行をするならやっぱり代理店経由? 「アゴダ」提訴に見る外資予約サイトの危険性、安心利用か自己責任か 業界の今後を考える

キーワード :
,
近年、旅行代理店を通さず、海外のオンライン旅行予約サイトを利用するのが一般的になってきた。それにともない、トラブルも相次いでいる。本稿ではその背景について考察する。

旅行業法との不整合

楽天トラベルの事例。「観光庁長官登録旅行業 第1964号」との記載がある(画像:楽天グループ)
楽天トラベルの事例。「観光庁長官登録旅行業 第1964号」との記載がある(画像:楽天グループ)

 これらの問題は、

・OTAのビジネスモデル
・消費者保護法の不備
・国際的な法律の適用範囲の広さ

によって引き起こされていると考えられる。

 より注目すべき点は「OTAの常識」と「旅行業者の常識」はまったく異なるということだ。とりわけ、海外のOTAは旅行代理店ではなく、

「プラットフォームを提供するインターネット事業者」

というス色合いが強い。最大の特徴は、海外OTAが旅行業法による登録を行っていないことだろう。

 日本国内で旅行業を行う場合には、旅行業法に基づき登録を行う必要がある。現行法では業者の登録は次のように分類されている。

●旅行業
第1種旅行業
海外・国内の募集型・受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配旅行、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うこと
●第2種旅行業
国内の募集型企画旅行の企画・実施、海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外旅行・国内旅行の手配旅行、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うこと
●第3種旅行業
海外・国内の受注型企画旅行の企画・実施、海外・国内旅行の手配旅行、及び他社の募集型企画旅行の代売を行うこと。また、実施する区域を限定し、国内の募集型企画旅行の企画・実施が可能
●地域限定旅行業
第3種旅行業同様、実施する区域を限定(出発地、目的地、宿泊地および帰着地が営業所の存する市町村、それに隣接する市町村、および、観光庁長官の定める区域内に収まっていること)し、国内の募集型企画旅行の企画・実施が可能。
また、受注型企画旅行についても、募集型企画旅行が実施できる区域内で実施が可能で、手配旅行も同様の区域内の取り扱いが可能
●旅行代理業
報酬を得て、旅行業を営む者のため旅行業務を代理して契約を締結する行為

 OTAは一般的にこれらのカテゴリーに含まないとして、(実態はいわゆる旅行代理店でありながら)旅行業の登録を行っていないところも多いこれは、OTA自体が旅行業を営んでいるのではなく、宿泊施設や関連事業者が利用者と取引するためのプラットフォームを提供しているという論理による。

 ただし、これは海外OTAのロジックである。日本国内での大手事業者である「楽天トラベル」や「じゃらん」などは、いずれも旅行業法の登録を行って事業を営んでおり、サイト内には登録内容が掲示されている。

また、観光庁では2015年に「オンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン」を策定し、名称や住所、代表者名、旅行業法登録の有無および問い合わせ先を表示することを求めている。

全てのコメントを見る