旅行をするならやっぱり代理店経由? 「アゴダ」提訴に見る外資予約サイトの危険性、安心利用か自己責任か 業界の今後を考える
近年、旅行代理店を通さず、海外のオンライン旅行予約サイトを利用するのが一般的になってきた。それにともない、トラブルも相次いでいる。本稿ではその背景について考察する。
利用者保護の差

旅行代理店を通さずとも宿泊施設は簡単に利用できる一方で、海外OTAの問題が業界の評判を落とす原因となっている。
OTAはいずれも利用者数のデータを公表していないが、日本旅館協会の「令和4年度営業状況等統計調査」によれば、国内旅行の全宿泊人員の割合は次のようになっている。
・OTA(楽天トラベルなど):45.3%
・旅行会社(JTBなど):22.5%
・直予約:17.2%
・自社HP:14.9%
また、日本政府観光局の2019年の「日本の観光統計データ/訪日旅行について調べる」によれば、訪日外国人の利用率は次のようになっている。
・OTA(WEBサイト):70.2%
・店頭で申し込み:25.8%
・電話などの申し込み:4.1%
特に、多言語サポートは海外OTAでは当たり前になっており、広く使われている方法である。
その結果、トラブルの件数も増加しているようだ。多いのは、
「キャンセル料」
をめぐるものだ。
国内の旅行事業者には、旅行業法に基づいて消費者保護のルールが課され、キャンセル料などは、国が示した標準旅行業約款に従わなければならない。しかし、海外OTAでは、予約直後からキャンセル料が発生することも珍しくなく、消費者保護よりも
「自己責任」
に比重が置かれがちだ。このことがトラブルを呼び起こす原因となっている。
問題は利用者の予約トラブルに限らない。ブッキングドットコムが
「入金の滞り」
によって宿泊施設に大きな経済的損害を与えた事例も報告されている。このケースでは、宿泊施設に対して約3600万円の損害が発生したとされ、OTAの信頼性に疑問を投げかけている。