旅行をするならやっぱり代理店経由? 「アゴダ」提訴に見る外資予約サイトの危険性、安心利用か自己責任か 業界の今後を考える

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近年、旅行代理店を通さず、海外のオンライン旅行予約サイトを利用するのが一般的になってきた。それにともない、トラブルも相次いでいる。本稿ではその背景について考察する。

OTA業界の今後

旅行パンフレットのイメージ(画像:写真AC)
旅行パンフレットのイメージ(画像:写真AC)

 ここで重要なのは、OTAが従来の旅行代理店とは異なり、越境EC(電子商取引)の一形態であるという理解である。

 これまで示されたとおり、OTAは単なる旅行サービスの提供者ではなく、インターネットを通じてさまざまな商品やサービスを流通させるプラットホーム事業者である。旅行代理店のように顧客ひとりひとりに合わせたきめ細かいサービス提供や、トラブル時の個別対応を前提とした企業ではない。この点はより広く啓発されるべき事柄だろう。

 例えば、アゴダはお笑いコンビのバナナマンを起用したテレビCMを流している。あのCMだけを見ると、ほとんどの人はOTAをオンライン旅行専門の旅行代理店と受け取るだろう。実際はそうではない。格安航空会社(LCC)と同じように、OTAも

「安かろう悪かろう」

つまり使い勝手はよいが、自分で問題を解決する強い意志が必要なのだ。

 そのため、不安を感じたり、自力でのトラブル対応に自信がない場合は、従来の旅行代理店を利用した方がよい。顧客の要望に応じて旅行をカスタマイズしてくれるし、万が一のトラブルにも直接対応してくれる安心感がある。これは、一方のサービスが

「他方より優れているとか劣っているとかいうこと」

ではない。

 とはいえ、今後はOTA業界自身がサービスの透明性や利便性を高め、消費者保護の取り組みを強化する必要がある。特に、国際的な法的紛争をどう処理するかは重要な検討課題である。

 例えば、ブッキングドットコムの利用規約には、欧州域外の問題については

「すべての紛争は、アムステルダムまたはイングランド・ウェールズの裁判所にのみ申し立てるものとします」

という条項がある。つまり、日本人が国内旅行でトラブルに遭遇し、訴訟を起こそうとしても却下される可能性があるということだ。

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