日本は「ゴミ箱少なすぎ」 テロ対策は納得も、ネットにあふれる設置増加の声 外国人も困惑で今後どうすべきか?
この夏にロンドンを訪れ、ゴミ箱の多さに改めてよさを感じた。街を歩けば、住宅街であっても「数分以内」にゴミ箱が見つかる。しかし日本では難しい。
ゴミ箱なき駅で広がる問題

日本においてゴミ箱の撤去が始まったのは、1995(平成7)年の地下鉄サリン事件の頃からである。日本中を震撼(しんかん)させる大事件であったし、テロ対策といわれれば、乗客は納得するほかなかった。
ほとぼりがさめた頃に、中身が見えるタイプのゴミ箱が設置されるなどしたが、ここ3年ほどの間にゴミ箱撤去の方針を発表する鉄道会社が続出している。理由としては、
・相次ぐ不審物発見によるテロ対策
・コロナ禍のマスクや注射針などの回収にともなうリスク
・生ゴミを含む家庭ゴミの持ち込み
である。
手間や経費削減を表立っていう会社はないが、それがメインではないかと訝(いぶか)しがる声もインターネット上に見られる。
駅のゴミ箱が撤去されたことで何が起きるのか――。個人的に首都圏のさまざまな駅を利用する機会が多いが、ホームにゴミが落ちている場面にはあまり遭遇しない。しかし駅のトイレの個室や洗面所のあたりにゴミが放置されているのを見かけることが増えたかもしれない。
JR東日本では、東京駅など大きな駅は別だが、在来線の駅からはゴミ箱が撤去されている。
東海道線の藤沢駅には、トイレの入り口に
「ゴミの投棄は『犯罪』です」
という大きな貼り紙がある。藤沢駅と藤沢警察署の連名ということもあり、穏やかではない。
ゴミ問題でよほど困ったのだろう。貼り紙で注意を呼び掛けるのは、間違ってはいない。コストもほぼゼロである。しかし貼り紙を目にする利用客を
「殺伐とした気分」
にさせるくらいなら、ゴミ箱くらい置けばいいのにとも思ってしまうのだ。