新幹線のワゴン販売がなくなったら、「食堂車」は復活するのだろうか？

高速化とワゴン販売

　新幹線は、その快適な車内空間と走行速度の速さから、多くの人に利用されている。その一環として、新幹線の食事サービスも大きく進化している。

　かつての新幹線は食堂車が連結されており、車内で調理師が料理を作って提供していた。乗客はメニューから好きなものを選び、豪華な食事を楽しむことができた。

　しかし、高速化で車内での滞在時間が短くなるにつれて需要が減り、人手不足も相まって、食堂車から車内ワゴン販売へと切り替わった。

　そんな車内ワゴン販売にも現在、存続の危機が訪れている。今後、新幹線車内での食事提供はどうなっていくのだろうか。サービス進化の背景を、さまざまな角度から検証する。

技術と多様な料理

　新幹線の食事サービスの進化は、

・技術の進歩
・鉄道サービスの高級化

に起因する。新しい調理法などで、さまざまな料理が提供できるようになった。その結果、新幹線車内では通常の軽食に加え、バラエティーに富んだ上質な料理が楽しめるようになった。

　これはメニューの変化にもつながった。以前は、乗客に素早く提供するために定型的なメニューが中心だったが、近年の新幹線各社は、地域の特産品や旬の食材を生かしたメニューを増やしている。これにより、旅先でもその土地の味を楽しめるようになった。

　JR東日本はその顕著な例で、「グランクラス」の食事メニューを常に更新し、各地の食材を生かした料理を積極的に取り入れている。これは利用者増の効果も期待できる。

　新幹線の食事サービスは今後も発展し続け、特色ある地域や季節のメニューを提供し、食事環境をより快適なものに改善していく。