JAL「水素航空機」開発 海外3社と提携も、インフラ&コストにただよう“一抹の不安”

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JALは11月16日、将来の航空機運航に向けた脱炭素化計画の一環として、水素燃料電池航空機の実用化に向けた新たな国際共同事業に着手すると発表した。

既存機体の課題

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 2023年11月16日。JALは、将来の航空機運航に向けた脱炭素化計画の一環として、水素燃料電池航空機の実用化に向けた新たな国際共同事業に着手すると発表した。

 これは、航空機の動力源である燃料電池/電気モーター化を先導しているといわれる海外企業3社との協業である。具体的には、

・H2FLY GmbH(ドイツ)
・ユニバーサルハイドロジェン(米国)
・ゼロアヴィア(同)

である。

 JALは3社と共同で、燃料電池次世代航空機の日本での実用化に不可欠とされる技術的課題、安全性、整備性、経済性の検討とクリアに向けた取り組みを開始する。

 ちなみに、現在JALが保有する営業用機体は、自社所有機とリース機を合わせて224機。これらのなかで燃料電池/電動モーターで代替可能なターボプロップ機(ガスタービンエンジンでプロペラを駆動し推進力としているもの)はデ・ハビランドDHC-8-400、ATR42-600、ATR72-600だ。しかし、今後日本における短距離輸送のニーズが拡大すれば、航空機の数を増やさなければならなくなる。

 前述の協力企業3社は現在、9人乗りから最大80人乗りまでの実用機の試作に取り組んでいる。つまり、JALを含む大手航空会社の短距離路線の航空機を脱炭素化するという観点からは、最適なスペックといえる。

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