縮まるサービス格差 JAL・ANAが「上級ラウンジ」を一般開放しつつあるワケ
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縮まる上級・一般会員のサービス格差

8月1日、JALが関西国際空港国際線の「サクララウンジ」の一般販売をスタートした。これまで、航空会社は上位ステータスホルダー(上級会員)向けと一般会員向けのサービスを明確に区切っていた。
しかし、JAL、ANAともにラウンジの門戸を広げつつあり、上級会員と一般会員のサービスの差が、徐々に縮小傾向にある。上級会員への特権を薄めても、優待制度を一般開放したい理由はなんだろうか。
空港内のラウンジには、大きく分けて2種類存在する。
・航空会社が独自に運営する「航空会社ラウンジ」
・クレジットカード会社などが運営する「クレジットカードラウンジ」
である。
クレジットカードラウンジは、ゴールドカードを保持しているなどの一定の条件を満たせば、航空券のクラスや航空会社のステータスに関わらず利用できる。また、利用料金を支払えば、カードを持っていなくとも利用できることも特徴だ。
利用のハードルが低い分、設備や提供されるサービスもそれに比例しており、ソフトドリンク以外のアルコールは有料であったり、軽食などの提供がなかったりするラウンジも多い。
上級会員の「特権」だったラウンジ

航空会社ラウンジは航空会社を代表しているため、内装や食事などに力を入れており、よりレベルの高い空間を提供している。
航空会社の上級ステータス(上級会員)などの、一定の条件を満たさなければ利用できず、航空会社ラウンジの利用は、いわば上級会員の「特権」だった。
例えば、サクララウンジの利用条件は以下となっている。
・JALダイヤモンド、JGCプレミア、JMBサファイア、JALグローバルクラブ会員
・ワンワールド加盟航空会社のエメラルド、サファイア会員
・ファーストクラス、ビジネスクラス、国際線プレミアムエコノミー搭乗者
しかし、近年は上記の条件に加えて、国内線、国際線ともにエコノミー搭乗者も有料での利用が可能となった(国内線3000円、国際線4950円)。