中国「高速貨物列車」広東から四川へ 莫大投資で交通網整備まっしぐら 新ルートも期待されるか

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膨大な国費を投じて交通網の整備が続く中国。鉄道・道路・水運を一体化した開発政策によって、広大な国土に無数の大動脈が生まれている。7月5日には、中国南東に位置する広東省・深センと、南西に位置する四川省・成都を結ぶ直通貨物列車が新たに運行を開始している。

交通網の優先政策

 膨大な赤字投資が明白でありながらも、建設が続行できるのは中国の体制に依拠したものだ。赤字を恐れることなく、内陸部発展のための投資として押し切れるのは、権威主義的体制の強みといえる。

 この点は赤字即廃止議論へと陥りがちな日本との大きな違いだ。利用者の多寡よりも、

「まずは交通網が整備されていること」

を重視する政策は、中国においては伝統的に行われてきた政策である。

 中国統一を果たした秦(しん)の始皇帝は車輪幅を統一し、治世の間に最大幅員70mに及ぶ道路の整備を実施している。隋(ずい)の煬帝によって建設された大運河は華北と岡南を結ぶ動脈となり、経済圏を統一する役割を果たした。過剰なほどの交通網の整備が、将来的には必ず役立つことを中国の歴代王朝は経験的に会得しているわけである。

 とはいえ、秦はその圧政により滅び、その道路網を大いに利用したのは、次に興った漢だった。隋も煬帝で滅び、大運河を生かしたのは後代の王朝のほうであった(元の統一後も再整備が行われている)。果たして、債務も顧みない交通網の整備は、現体制にどのような結果をもたらすのか。

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