中国「高速貨物列車」広東から四川へ 莫大投資で交通網整備まっしぐら 新ルートも期待されるか
膨大な国費を投じて交通網の整備が続く中国。鉄道・道路・水運を一体化した開発政策によって、広大な国土に無数の大動脈が生まれている。7月5日には、中国南東に位置する広東省・深センと、南西に位置する四川省・成都を結ぶ直通貨物列車が新たに運行を開始している。
水運網の広がり

鉄道と並んで道路網が整備されるのは、ある意味当然だが、これに加えて河川を使った水運網も整備されているのが中国の特徴だ。
2022年度末の中国国内の河川交通路(内陸水路航行可能距離)は、12万8000kmとなっており前年度比で326km増加している。また、2022年度末時点で内陸部の10万tまでの船が停泊できる港湾が132か所存在しており、鉄道・道路・水路が軌を一にして整備されている現状が見えてくる。
鉄道のほか、道路や水路交通網が整備されることで、内陸部の発展は確実に進んでいる。個人でも利用できる通販サイト「タオバオ」を使ってみると、交通網がいかに整備されているかがおのずと理解できる。
サイトでは発送された品物が、いまどこを移動しているのかを買い手が確認でき。日本に発送される商品はおおむね上海で通関した後、航空便で届くが、四川省の奥地から発送された荷物が、3日足らずで上海まで到着する。上海と四川省の大都市・成都との距離は約1900km。秋田市から沖縄本島までの距離に匹敵する。この距離で数日間の輸送が可能なところまで、中国の交通網は整備が完了しているのである。
こうした急激な交通インフラの整備は数字だけ見ると景気のよい話だが、そうとばかりはいってられない。整備された鉄道網の大半は赤字となっており中国国鉄の債務は
「6兆元(約117兆円)」
にも上り、国内総生産(GDP)の5%程度まで達しているとされる。実際、既に中国では新幹線の寝台列車も導入されているが、空路も発達していることを考えると、今後利用が伸びるかといえば疑問だ。前述のラサ~北京・上海間にしても、あえて新幹線で移動したがる人はそうそういないだろう。