宇都宮LRTの反対派代表、西側延伸認可で「行政訴訟を検討」と発言! 開業2か月も依然立ちはだかる“3つの課題”を考える

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宇都宮LRTは、2023年8月26日開業から2か月を迎えた。しかし現在、三つの課題が立ちふさがっている。

オーストラリアのLRT問題

ハンターラインの暫定的な終点となったハミルトン駅。2016年8月17日撮影(画像:大塚良治)
ハンターラインの暫定的な終点となったハミルトン駅。2016年8月17日撮影(画像:大塚良治)

 行政が推進するLRTの問題点を指摘する動きは海外でも見られる。

 オーストラリア・ニューサウスウェールズ州政府がニューカッスルにおいてLRTを新設する事業を進めたことに対して、非営利団体「Save Our Rail(SOR)」は、ニューカッスルとシドニーを直通する鉄道「ハンターライン」の一部区間廃止や、州の登録遺産であるニューカッスル駅の解体などに懸念を示すとともに、LRT事業への公的支出の問題点を指摘した。

 2014年12月25日、LRT新設に向けて、「ハンターライン・ニューカッスル鉄道線」ニューカッスル~ハミルトン間は運行を停止した。LRT開業までの間、列車代替バスが運行されることになった(2017年10月15日に、鉄道・LRT・バスの新たな結節点となる「ニューカッスル インターチェンジ」まで「ハンターライン」を再度延伸)。

 州政府は、LRT新設により、人々の移動の利便性を向上させ、ニューカッスル市の中心部に雇用、住民、訪問者を呼び込むことなどの効果を狙っていた(The Guardian, 2014年9月21日付け)

 SORは鉄道廃止を阻止するべく法的手段に訴えたものの、州政府は通称「ニューカッスル鉄道線閉鎖法」(the Transport Administration Amendment (Closure of Railway Line at Newcastle) Act 2015.)を成立させ、この法律に基づいて、ニューカッスル駅を除く大半の鉄道資産を撤去した。

 そして、2019年2月17日、架線レスのLRTである「ニューカッスル・ライトレール」が開業した。なお、旧ニューカッスル駅は2018年9月29日より、多目的コミュニティースペースとして公開されている。

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