貨物電車「スーパーレールカーゴ」は失敗作だった? 東京~大阪間の輸送短縮に貢献も導入進まず、鉄道輸送注目のいま振り返る

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モーダルシフト(自動車による貨物輸送を、環境負荷の少ない鉄道や船舶に転換すること)の進展により、鉄道輸送の重要性が増している。この動向を受けて、さまざまな新しい取り組みが行われており、そのなかで開発されたのが「スーパーレールカーゴ」である。

スーパーレールカーゴの現在

トラック(画像:写真AC)
トラック(画像:写真AC)

 こうして、2004(平成16)年3月にスーパーレールカーゴが運行を開始すると流通業界での鉄道輸送の認識は大きく変化した。

 それまで、トラックが優位と考えられていた中距離輸送の認識が改められたのである。現在のモーダルシフトにおける鉄道輸送への移行は、スーパーレールカーゴの成功があってこそのものといえる。

 しかし、その後スーパーレールカーゴの導入は進まなかった。現在も佐川急便は毎日上下1便で貸し切り輸送を継続しているが、他社による採用例は存在しない。M250系電車も新たに製造されず、電車型貨物車の開発も停滞している。

 他社がスーパーレールカーゴを採用しなかった理由はいくつかある。

・車両が東京~大阪間の高速化に特化している
・専用のコンテナとトラック導入を前提としておりコストがかかる

ことである。またM250系電車が直流方式で開発されたため東京~大阪間の輸送以外に
路線を広げることが制約されたことも大きい。

 スーパーレールカーゴは失敗作だったのだろうか。その答えは

「否」

である。現在JR貨物では、「ブロックトレイン」と呼ばれる、企業が借り上げて運行する貨物列車を運用している。

 スーパーレールカーゴは、ブロックトレインの初めての導入例とされている。ブロックトレインは専用のコンテナや車両を使用せず、単に列車全体を借り上げるという運用方式を採っている。JR貨物によれば、ブロックトレインは

「1編成のうち半分以上を貸し切り、往復輸送するコンテナ列車」

と位置づけられている。

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