貨物電車「スーパーレールカーゴ」は失敗作だった? 東京~大阪間の輸送短縮に貢献も導入進まず、鉄道輸送注目のいま振り返る

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モーダルシフト(自動車による貨物輸送を、環境負荷の少ない鉄道や船舶に転換すること)の進展により、鉄道輸送の重要性が増している。この動向を受けて、さまざまな新しい取り組みが行われており、そのなかで開発されたのが「スーパーレールカーゴ」である。

モーダルシフトと未来の展望

スーパーレールカーゴ(画像:写真AC)
スーパーレールカーゴ(画像:写真AC)

 スーパーレールカーゴに比べて導入コストが低いブロックトレインは、需要が増加傾向にある。西濃運輸、福山通運などの物流企業や、部品輸送にトヨタ自動車が利用している事例も見られる。

 また2021年にJR貨物が

「定温貨物列車」

の新設を検討していると報じられている。

 これは温度管理が必要な貨物の輸送ニーズに対応するものである。一方、食品会社などは「2024年問題」と呼ばれる運転手不足問題に備え、同業他社との共同輸送を導入する事例が増加している。これらの動きは、将来的な需要拡大が期待される。

 スーパーレールカーゴ自体は車両技術として広く普及するには至らなかったが、企業が専用列車を利用してコスト削減と効率化を図る可能性を示した点で、その価値は大きい。

 モーダルシフト、すなわち輸送手段の多様化と効率化を進める動きが拡大するなか、専用列車の利用機会も増えていくであろう。

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