JR貨物だけに責任を負わせるな! 国内物流でいまだ軽視される「鉄道貨物」、2024年問題は格好の好転材料となるか

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日本の産業を揺るがしかねない物流の「2024年問題」を控え、鉄道貨物輸送がじわりと存在感を高めつつある。国内物流においていまだ軽視される同輸送の名誉挽回なるか。

JR貨物「車扱」が大幅増

函館本線を走る貨物列車(画像:写真AC)
函館本線を走る貨物列車(画像:写真AC)

 日本の産業を揺るがしかねない物流の「2024年問題」を控え、鉄道貨物輸送がじわりと存在感を高めつつある。

 JR貨物が6月19日に発表した5月の輸送実績は、前年同月比6.9%と大幅に増えた。数字を押し上げたのは、石油などを運ぶ

「車扱」(24.8%増)

で、コロナ禍の行動制限緩和にともなうガソリン需要増加が大きく奏功。製造業の回復にともないコンテナも0.4%増となった。同社は輸送動向の発表で

「一部顧客の2024年問題を見据えた鉄道利用拡大により前年を上回った」

と、2024年問題を理由に挙げている。

 とはいえ、深刻化するトラックドライバー不足がそのまま、鉄道への移行を後押しするとは限らない。トラック輸送の柔軟性に比べ、鉄道が

「使いにくい」

からだ。

 さらにいえば、2031年に予定される北海道新幹線の札幌延伸にともなう並行在来線の存廃問題も、本州対北海道の輸送に大きく影を落とす。2024年問題の追い風を打ち消すほどの「2031年問題」が控えているのだ。

 トラックドライバーの労働環境を守り、国内の物流網を維持するためには、JR貨物の運行環境を

・車両
・線路
・ダイヤ

の各面で改善する必要がある。

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