船で日本から「外国へ渡る」ことはできる? 方法は3つ、2023年の現状をリポートする
ジェット機の普及とともに国際線のネットワークが拡大することで、海外に行く際にわざわざ船で行こうと考える人は著しく減少していった。2023年現在、「日本から船で海外に渡る」ことは完全にできないのだろうか。答えは「ノー」だ。
飛行機でやってきたマリリン・モンロー

状況が変わったのは第2次世界大戦後のことで、航空技術と航空機の発展が急速に進み、民間航空が成長。また、「ボーイング707」や「ダグラスDC-8」などのジェット機が登場することで飛行速度が向上し、長距離国際線の運航がより効率的になっていった。
戦後、日本の航空会社による国際線定期便は1954(昭和29)年2月よりスタートし、日本航空がダグラスDC-6B型機(36人乗り)を使って、東京~ホノルル~サンフランシスコを結んだ。同じ年、マリリン・モンローとジョー・ディマジオ(MLBのプロ野球選手)が新婚旅行として日本にやってきたが、ふたりは太平洋を越えて羽田空港に降り立っている。
ジェット機の普及とともに国際線のネットワークが拡大することで、海外に行く際にわざわざ船で行こうと考える人は著しく減少していった。1930年より貨客船として横浜とシアトル間を何度も往復した日本郵船の「氷川丸」の最後の航海は1960年のこと。日本からブラジルに移民する人たちを運び続けた「にっぽん丸」は1973年3月に移民船としての役割を終えた。
やがて、日本と欧米などとの航路を定期的に往復する客船、貨客船は姿を消している。1985年、当時の人気アイドルだった斉藤由貴が主演した「スケバン刑事」(フジテレビ系)というテレビドラマの第20話に、主人公(斉藤由貴)が船で渡米する人を見送るシーンを確認できる。このスケバン刑事は放送当時の日本が舞台の作品である。フィクションの世界で、
「日本から船で米国に渡る」
という描写が許容されたのはこの頃が最後だろう。