船で日本から「外国へ渡る」ことはできる? 方法は3つ、2023年の現状をリポートする

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ジェット機の普及とともに国際線のネットワークが拡大することで、海外に行く際にわざわざ船で行こうと考える人は著しく減少していった。2023年現在、「日本から船で海外に渡る」ことは完全にできないのだろうか。答えは「ノー」だ。

海運ニーズが高まった明治時代

福岡~釜山を約3時間半で結ぶJR九州高速船「クイーンビートル」(画像:クルック)
福岡~釜山を約3時間半で結ぶJR九州高速船「クイーンビートル」(画像:クルック)

 現在のアフリカで生まれたとされる現生人類(ホモ・サピエンス)が6万年前に地球上に広がってから、海を渡るために船が使われた時代が長く続いた。

 日本においても同様で、飛鳥時代の遣隋使(けんずいし。600~614年)も、戦国時代の呂宋助左衛門(るそんすけざえもん)も、江戸時代末期のジョン万次郎も船で海を越えている。

 明治時代になると、海運ニーズの高まりとともに、日本と

・東南アジア
・南北米国大陸
・ヨーロッパ
・オーストラリア

などを結ぶ新航路が開設されていった。

 貨物船から始まり、やがて一般の旅客を乗せる客船、貨客船(貨物と乗客の両方を乗せる船)も増えていったのである。

 芸術家の岡本太郎は、18歳だった1929(昭和4)年に渡欧したときは、日本郵船の「箱根丸」という船を利用した。1930年代に、“喜劇王”チャールズ・チャップリンや、MLBのスーパースターであるベーブ・ルースが初来日しているが、その交通手段も船だった。

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