ローカル線の奇跡再び? JR西「姫新線」がコロナを跳ね除け、輝きを取り戻した本当の理由

キーワード :
, ,
経営が厳しい地方鉄道の存廃を議論する再構築協議会制度の運用が、10月からスタートした。こうしたなかで、いま注目されているのが、姫路から新見を結ぶ姫新線である。

全長158kmの非電化路線

姫新線(画像:写真AC)
姫新線(画像:写真AC)

 経営が厳しい地方鉄道の存廃を議論する再構築協議会制度の運用が、10月からスタートした。こうしたなかで、いま注目されているのが、乗車人員拡大に奮闘するJR西日本の姫新(きしん)線である。1936(昭和11)年4月に開通した姫新線は、兵庫県の姫路から岡山県の新見に至る全長158kmの非電化路線だ。かつて山陽地方と山陰地方を結ぶ重要な役割を果たし、姫路~上月(こうづき。佐用町)の50.9kmは、通勤・通学など沿線住民の生活を支えてきた。

 高度経済成長期の1965年度には、姫新線の乗車人員は590万人に達していた。ところが、中国自動車道の開通、沿線の人口減などにより利用者は次第に減少、2009(平成21)年度には238万人にまで落ち込んだ。

 乗客数の減少によって便数も減らされ、利便性が低下するという悪循環に陥った。この間、1960年には優等列車として準急「みささ」が運行を開始、1966年には急行に格上げされたが、1989年に廃止となった。

 行政とJR西日本と沿線住民が一体となって利用促進を図ろうという気運が盛り上がり、2010年3月には姫新線利用促進・活性化同盟会が発足した。同会は、乗車人員300万人を目標とする

「チャレンジ300万人乗車大作戦」

を掲げ、さまざまな対策を講じてきた。

 特に注目されたのが、増便という社会実験だ。兵庫県と沿線市町が補助金を出し、姫路~播磨新宮間で上下16本、播磨新宮~上月間で6本の増発を行った。また、沿線自治体ではパーク&ライド(自宅から自動車で駅まで行き、駐車後、鉄道を利用して目的地へ向かうこと)の環境整備を急いだ。

 こうした施策の効果を後押ししたのが、2006年度から取り組んできた新型車両の導入による高速化だ。2009年には新型ディーゼル車両「キハ122系」が投入され、高速化に向けた路線改良も進められてきた。

全てのコメントを見る