タクシー絶対不足が招く「ライドシェア解禁」議論 実利か安全か、菅氏前向き発言で政治色強めタクシー業界の今後どうなる
菅義偉前首相がライドシェア解禁に前向きだ。タクシー議連のある自民党の大物政治家が議論に本腰を入れていることは注目に値するが、果たして解禁は近いのか。その可能性を探る。
地方のタクシー不足深刻

近年、タクシー乗務員は減少傾向にあり、ライドシェアの導入はそれによって引き起こされるさまざまな問題の解決策となる可能性がある。
2020年以降のコロナ禍の影響でタクシー乗務員の離職が急増しており、全国の法人タクシー乗務員数は29万1516人(2019年)から23万2902人(2023年3月末時点)と約2割減少している。
特に地方ではタクシー不足が懸念されており、大都市圏と地方をわけて考える必要がある。配車台数が多い大都市圏でのライドシェア導入は、タクシー業界との競争を生みかねないが、ドライバー数が減少している地方、特にインバウンドが多い地域ではより有効な対策となる。
また、ライドシェアの解禁は交通事故の抑止にもつながる。低所得などを理由に若年層がタクシー勤務を敬遠しており、乗務員の高齢化傾向から交通事故の増加が懸念されるからだ。
この夏、多くのインバウンドが訪れた京都ではタクシー不足が深刻な問題となっており、タクシー待ちで困っているインバウンドや地元住民の声が菅前首相の耳に届き、例の発言につながったとも考えられる。
インバウンドからすれば、出会ったドライバーとのコミュニケーションを通じて日本を身近に感じられるのがライドシェアのメリットだ。言葉の壁はあるが、通訳アプリなどで乗車中にコミュニケーションが取れれば、良い思い出を作るきっかけになるかもしれない。