「お金払わない」「会社に電話するぞ」 タクシードライバーに浴びせられるカスハラ暴言の数々、8月1日“名札廃止”の裏側事情とは
街なかでタクシー業務を行っていると、ときどき、タクシー側から見て「その苦情は過剰ではないだろうか」と首をかしげたくなる場面に遭遇することがある。
相互理解の精神
![タクシーのイメージ(画像:写真AC)](https://merkmal-biz.jp/wp-content/uploads/2023/08/230808_customer_01.jpg)
街なかでタクシー業務を行っていると、ときどき、タクシー側から見て「その苦情は過剰ではないだろうか」と首をかしげたくなる場面に遭遇することがある。
車載カメラの導入によってカスタマーハラスメント(カスハラ)は減少したが、それでも
「運転が荒い」
「なぜ一時停止で止まっているのか」
「速く走れ」
といわれたり、通常の経路を走っていても
「なぜ渋滞した道を行くんだ」
「道を間違えたからお金を払わない」
などといわれたりすることがある。
また、交通違反を含む強要行為や理不尽なカスハラも存在する。これをどう防ぐべきか。新人乗務員が未経験な場合は仕方がないが、経験豊富で業務に精通した乗務員であっても、ときどき直面する。利用者と乗務員は基本的に需要と供給の関係であり、相互理解の精神が重要である。
筆者(橋本英男、フリーライター)はかなり前、沼袋(東京都中野区)のある通りで高齢の利用者を乗せた際、
「お客さまは神様です。ありがとうございます」
と声をかけた。相手は「この車、縁起がいいね」と笑顔で喜んでくれた。タクシーは“地域の足”であり、通勤や通院、仕事に欠かせない。そのため、一言の気遣いで相手を楽しい気分にできる。
・運転が荒い
・急発進/急停車
・遠回り
・ため口
・舌打ち
・返事がない
などは問題だが、ほとんどの乗務員は利用者に対して常識を守っている。つまり、プライドを持って日々の業務に取り組んでいるのだ。