「サービス業としてのドライバー」が抱えるジレンマとは【どうなる? これからのトラックドライバー#2】

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今後のトラックドライバーのあり方を考える上で、「サービス業化」は確かに考えられ得る道であろう。ただし、絶対的かつ唯一の道ではないし、そもそもサービス業化すれば運送会社の収益が上がると考えるのも短絡的だ。

トラックドライバーが抱えるジレンマ

「サービス業としてのドライバー」が抱えるジレンマとは? 写真はイメージ(画像:krichphoto/123RF)。
「サービス業としてのドライバー」が抱えるジレンマとは? 写真はイメージ(画像:krichphoto/123RF)。

 かつて私もトラックドライバーだった――と言っても、もう25年ほど前の話である。その頃のドライバーに対する評価は、単純明快だった。「よりたくさん、より遠く」に運ぶことができるほど、ドライバーとしては優秀と見なされ、また稼ぐこともできた。

 実践する方法も明快だ。過積載か、もしくは休まずにトラックを走らせることである。過積載は、必ずしもドライバーの意思でできるものではないが、休みはドライバーが(ある程度)コントロールできる。寸暇を惜しみ、睡眠時間を削って長時間労働をすることで、周囲からも「あぁ、あいつはすごいな!」と評価された。

 しかしこれは、当たり前だが法令違反である。当時は、コンプライアンス(法令遵守)という言葉が激務の気休めにもならなかったから、なし崩し的にこういった乱暴な評価がまかり通っていた。当然だが、今は長時間労働も過積載も許されない。

 運送業は、典型的な労働集約型産業の一つである。人の労働力が生産力に直結する労働集約型産業において、労働時間を制限することは、生産力の頭打ちを意味する。残念ながら25年が経過して今も、ドライバーの労働構造は「よりたくさん、より遠く」貨物を運ぶほど収入が得られることに、原則として変わりはない。違いは、コンプライアンスに対する意識の差である。

 今後さらに、「物流の2024年問題」で指摘されるように、2024年4月1日以降、ドライバーの年間時間外労働時間も960時間に制限されることにも留意せねばならない。これにより長時間労働を続けてきた運送会社の売上は下がり、同時にドライバーの収入にも影響が出る可能性が高い。