運送ビジネスはサービス業なのか? 会社の将来を左右する従業員の意欲【どうなる? これからのトラックドライバー#1】

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働き方改革による労働時間上限規制や自動運転・無人運転トラックの出現など、運送ビジネスは10年以内に大きく変わる可能性が高い。これからのトラックドライバーはどうなるのだろうか。

「これからのトラックドライバーは、サービス業であるべき」…古参ドライバーを辞めさせてまで経営方針を転換した運送会社社長

 別の運送会社B社のエピソードである。

 父の跡を継いだ二代目社長は、強い信念を抱いていた。「これからのトラックドライバーは、サービス業であるべきだ」──サラリーマンとして一般企業で働いた経験もある二代目社長は、強くこのように感じていたという。

 あいさつができない。敬語が使えない。不潔不衛生な格好をしていても、気にしない。

 そういった、先代社長のもとで働いていたドライバーたちに、二代目社長は就任前から不快感を感じていたという。そこで、二代目社長就任を期に、「これからのトラックドライバーは、サービス業であるべきだ」という新たな経営方針を、ドライバーを含めた全従業員に対し発表したという。

 B社は、従業員40人弱の中小企業である。口うるさく言葉遣いや態度、姿格好などを注意する社長に嫌気が差し退職したドライバーは半数に及んだという。だが、それでも二代目社長は一向にひるまなかった。新規でドライバーを採用し、現在ではドライバーを含めた全従業員が、サービス業である自負を貫いているそうだ。

「『B社さんのドライバーは、いつも明るく清潔で他の運送会社のドライバーとは違うよね』。配送先の皆さまからは、このようにお褒めの言葉を頂戴しています」と、社長は胸を張って語る。

 B社は、量販店に対し生鮮食料品の配送を行っている。以前は、ガサツな態度で不衛生な格好のドライバーに対し、スーパーで働くパートやアルバイトは、嫌悪感を抱くことも多かったという。

 しかし社長の働きかけの結果、B社は顧客からの信頼を獲得し、経営も堅調に推移しているそうだ。サービス業のマインドを備えたドライバーの存在が、B社のアピールポイントとして営業の武器となっているのだ。