ビッグモーターも真っ青? 90年代の荒すぎる「不正請求」、ゴルフボールどころか自動車衝突も行われていたアブない業界事情

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本稿で改めて伝えたいのは、ビッグモーター事件は「氷山の一角」にすぎないということである。過去にも同様の行為が発覚し、事業者が摘発されたケースがいくつもあるからだ。

後手に回った対策と消費者モラル

ビッグモーターのウェブサイト(画像:ビッグモーター)
ビッグモーターのウェブサイト(画像:ビッグモーター)

 しかし、不正請求に対する取り組みは早くなかった。

 通報窓口である「不正請求通報ホットライン」が開設されたのは2013(平成25)年だった。そして、「保険金支払い履歴情報交換システム」が整備され、日本損害保険協会各社が契約者への支払い状況を確認できるようになったのは、2015年からである。このことは、自動車保険会社が商品販売に比べ、支払い関連の整備が遅れていることを示唆している。

 また、被害に遭う契約者の意識も高かったとはいいがたい。日本損害保険協会が2012(平成24)年に実施した意識調査によると、破損した車の修理代を請求した後、以前と同じ破損で再度請求されるケースについて「絶対に許せない」と回答したのは

「47.3%」

と全体の半数に満たなかった。

ちなみに、比較設問の「ガムの路上捨て」は61.8%、「公園の花の抜き取り」は52.8%で、消費者を含め、保険金の水増しは大した悪行ではないと考えている人が多いことがわかる。こうした消費者の意識も、ビッグモーターの不正請求につながっていたのかもしれない。

 現在、保険会社は人工知能(AI)を活用して画像認識により修理費用や補償額を迅速に処理したり、不正請求を検知するシステムを導入したりして、人間の介入を排除した形で問題を解決しようとしている。人間が関与すれば、不正もミスも発生する可能性があるため、すべてをコンピューターに任せることが最適解なのかもしれない。

 しかし、どんなに高度なシステムを導入しても、不正を完全に排除することは難しい。テクノロジーの革新が進めば、やがてそれを上回る不正行為やミスが発生するだろう。ビッグモーター事件は、業界がこれまで直面してきた問題を明るみに出した。これを機にどれだけ問題が解決されるだろうか。

 ただひとついえるのは、ビッグモーターだけをヒステリックに糾弾しても、業界全体はよくならないのだ。

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