ビッグモーターも真っ青? 90年代の荒すぎる「不正請求」、ゴルフボールどころか自動車衝突も行われていたアブない業界事情

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本稿で改めて伝えたいのは、ビッグモーター事件は「氷山の一角」にすぎないということである。過去にも同様の行為が発覚し、事業者が摘発されたケースがいくつもあるからだ。

忘れられた蛮行

衝突した車のイメージ(画像:写真AC)
衝突した車のイメージ(画像:写真AC)

 一例として、愛知県警が1990(平成2)年に摘発した、自動車販売会社が交通事故を装って保険金詐欺を繰り返していた事件を挙げてみよう。

 当時の報道によれば、あらかじめ駐車していた自動車(主犯の自動車販売会社が所有)に、容疑者たちが運転する自動車を故意に衝突させ、保険会社から休業補償や慰謝料をだまし取ったとされている。

 この事件が特異なのは、成功に味を占めた容疑者たちの手口が大胆になり、自社所有の自動車を、海に転落させてまで保険金を詐取していることだ。

「容疑者はこの事故を偽装する際「お前たち、海水浴に行ってこい」と指示。従業員らは当初は車を押して転落させ、その後、自分も飛び込むなどしたが、中には初めから運転席に乗り込んだまま転落、海面から脱出するというスタントマンさながらの行為もあった。さらに車中に釣りざお、クーラーボックスを持ち込むなど、偽装も念が入っており、届け出を受けた警察署もだまされていた」(『中日新聞』1990年2月15日付朝刊)

 これはあまりに大胆な事例だが、1980年代から1990年代にかけて、壁やガードレールなどに故意に自動車をぶつけて保険金を請求するなどの事件が頻発している。

 この時期に不正請求が急増した背景には、自動車の保有台数が増加し高額保険が定着したことがある。『朝日新聞』1989年12月7日付夕刊によれば、1989年時点の自動車任意保険の新規契約高は

「660兆2000億円」

で前年比14.8%増、5年前の2倍以上となっている。一方、保険金の不正取得は1988(昭和63)年だけで890件、被害額は約13億4000万円にのぼっている。

 さらに1990年代には、業界関係者のに関与事例の多さが問題視されている。当時の報道を見てみると、不正請求の容疑者は自動車販売会社はもちろんのこと、

・修理業者
・解体業者
・後遺障害などの認定にかかわる医療関係者
・元代理店店長

など多岐にわたっている。

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