ビッグモーターも真っ青? 90年代の荒すぎる「不正請求」、ゴルフボールどころか自動車衝突も行われていたアブない業界事情
本稿で改めて伝えたいのは、ビッグモーター事件は「氷山の一角」にすぎないということである。過去にも同様の行為が発覚し、事業者が摘発されたケースがいくつもあるからだ。
ターゲットにされる理由

自動車保険が不正請求のターゲットにされるのは、自動車保険のシステムそのものの抱える
・個々の契約が複雑
・請求件数が膨大
といった問題がある。
とりわけ、1998(平成10)年に保険商品が自由化されて以降、保険会社は年齢や走行距離に応じて保険料を割り引く「リスク細分型」の自動車保険の販売が可能になった。
この複雑な保険システムで競争する各社は、さまざまな特約を付けた保険商品の販売競争を激化させている。その結果、支払い部門は膨大かつ複雑な件数を処理しなければならず、チェックがおろそかになっている。これが、自動車保険の不正請求が常態化している理由である。
2005年、多くの保険会社が契約者への支払いを怠っていたことが発覚し、金融庁は業務改善命令を出した。これは、各社の支払い部門の商品知識不足が原因であり、その結果、代車費用補償などの特約金が支払われなかった。不払いは不正請求とは正反対のものであったが、保険会社の対応がずさんであったことが明らかになった事件である。
これ以降、保険会社各社では
「契約者から預かった保険料を公平・公正に配分する」
という損害保険の基礎を再確認し、不正請求と不払いを防止するシステムの整備に注力するようになっている。