日本の「軽トラ」北米で大人気なワケ 小型実用車の強みが新たなビジネスチャンスを切り開く

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近年、北米において日本に軽トラックの人気が高まっているという話をよく耳にする。いったいなぜか。

「25年ルール」という条件

軽トラックのイメージ(画像:写真AC)
軽トラックのイメージ(画像:写真AC)

 近年、北米において日本に軽自動車の人気が高まっているという話をよく耳にする。ただし、たとえ最新モデルでも日本の軽自動車を公道走行用として登録することはできない。

 人気を集めているのは、いわゆる

「25年ルール(製造から25年を経過したモデルについては保安基準不適合であっても登録を許可するという特例)」

を経て輸入販売された中古車である。すなわち、現時点で登録が可能なのは1998年以前のモデルとなる。

 この年代の軽自動車には、いわゆる純然たる商用モデルのほかに、他国には例がないミニマムサイズのスポーツカーや本格的なオフロード4WDなど個性あふれるモデルが多数存在している。すなわち

・ビート(ホンダ)
・オートザムAZ-1(マツダ)
・カプチーノ(スズキ)
・ジムニー(スズキ)
・パジェロミニ(三菱)

などだ。このほかにもユニークなモデルはいろいろあったが、今回の記事の趣旨とは外れるため詳述は避ける。

軽トラ人気の業界

 ここのところ人気を集めているモデル、それは軽トラックだ。

 日本においては何の変哲もないリーズナブルな実用車であった軽トラックが、なぜ今北米で人気なのか。その背景にあるのは実用品として、とある業界の隙間にうまく入り込んだことにほかならない。その業界とは何か。それは

「農業」「林業」

である。

 北米の農業や林業というと、そこで使われているのは大型のトラクターなどの強力な機械ばかりという印象があるかもしれない。しかし実際には狭い場所での細かな作業が求められる場合も少なくない。

 従来、そうした場所で使われていたのは、一般には「クアッド」や「ATV」と呼ばれていた小型の4輪バギーだった。その形態はバイクを4輪化した上で小さな荷台を付けたものだ。

 これらは取り扱いも容易で価格も安かったことから多いに普及した。しかし基本的にはバイクの延長線上にあったモデルであり耐候性は低かった。

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