ウクライナに「自衛隊車両」3車種提供も そのチョイスにどうも納得できない理由
日本政府はG7広島サミットにおいて、ウクライナに対して自衛隊の保有車両を供与する旨を発表した。1/2tトラック、高機動車、資材運搬車である。
車両は合計100台規模
2023年5月、日本政府は広島で開催された先進7か国(G7)広島サミットにおいて、ロシアと紛争中のウクライナに対して、自衛隊が保有している物資および車両を供与する旨を発表した。
物資の中心となるのは約3万食の携帯食料。車両は合計100台規模で
・1/2tトラック
・高機動車
・資材運搬車
を順次供与する。日本が所有する自衛隊車両を紛争当事国に供与するのは、極めて異例だ。
おそらくその背景には今回の紛争における日本の旗印を改めて明確にするとともに、それを公式に表明するという点に大きな意味があったものと思われる。そうした場にG7サミットが好都合だったというわけだ。
さて車両の供与だが、3車種合わせて100台程度の規模では現地での運用において大勢に影響するとは思えない。日本政府としては来日したゼレンスキー大統領に対する“お土産”という意味だったのかもしれないが、数的に少な過ぎるのではないか。
さらに言うまでもなく、これらは最前線には出さない。ならばより汎用(はんよう)性の高い建設機械や民間仕様のトラックなどの方がよかったのではないかとも思える